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師弟の距離は280キロ 隠岐の詩吟同好会、オンライン稽古の導入資金募る

クラウドファンディングに挑戦している隠岐國縁吟会の会員ら

クラウドファンディングに挑戦している隠岐國縁吟会の会員ら

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 隠岐・島前中ノ島(海士町)の詩吟愛好グループが現在、ICTを活用したオンライン稽古のシステム導入を目指すクラウドファンディングに挑戦している。

会を主宰する石橋直子さん

 クラウドファンディングに挑戦しているのは、島内の詩吟同好会「隠岐國(おきのくに)縁吟会」。結成は2016年6月で、当時、島内の高校へ赴任していた国語教員で吟歴20年以上のキャリアを持つ石橋直子さんの下、30~80代の男女10人余りが吟詠に取り組んできた。

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 すでに松江でも会を持っていた石橋さんは勤務の傍ら、島と行き来しながら両会でそれぞれ月2回の稽古を行って詩吟の普及に注力。2017年には愛好者を増やした功労で全国的な愛好者団体の会員約5万人から選ばれ表彰も受けたものの、今年4月、益田の高校へ転任し同島を離れた。

 同じ島根県内でも最西部の益田から同島へは、列車とバス、船を乗り継ぐ約280キロのコースで1日がかり。会の運営は曲がり角を迎えたが石橋さんは、学習の機会が限られる離島のハンディをICTで克服しようと島内の公営学習塾「隠岐國学習センター」が授業などに導入していた遠隔会議システムに目を付けた。現在は、同システムを使う「オンライン稽古」と石橋さんが来島しての出稽古を交互に行うことで、転勤前と同じ月2回の稽古日を維持している。

 クラウドファンディングでは、同様のシステムを自前で購入する資金を調達したい考え。リターンには、イワガキやスルメイカ、サザエカレーなどの島特産品のほか、島へ同行できる吟行ツアーへの招待などを用意した。

 「交通が不便で人口が少ない離島や中山間地にも、学ぶ機会を望む人は一定数いる。ICTを詩吟などの伝統芸能の継承やさまざまな習い事への取り組みに活用できると考えた」と石橋さん。「オンライン稽古」ではタイムラグがつきものになるほか、声を出す口の形や立ち姿を直したり、寄り添って声が出るように励ましたりという対面ならではの指導が難しいというが、「出稽古と組み合わせることで乗り越えたい」と意気込む。

 クラウドファンディングの受け付けは12月5日まで。