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隠岐・海士町で「アマ木簡の世界」公開講座 食の豊かさを歴史的に裏付け

隠岐・海士町で「アマ木簡の世界」公開講座 食の豊かさを歴史的に裏付け

会場となった隠岐神社社務所

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 隠岐・海士町の隠岐神社社務所(海士町海士)で8月8日、第10回隠岐国巡回講座「アマ木簡の世界~海産物が紡ぐ海士と奈良~」が行われた。

講師を務めた大阪大学准教授・市大樹(いちひろき)さん

 島根県古代文化センターと海士町教育委員会が主催し、隠岐世界ジオパーク推進協議会の共催を受け開催された同講座。町内のみならず各島から受講者が集まり、講師を務めた大阪大学准教授・市大樹(いちひろき)さんの講座に耳を傾けた。

 木簡とは、都に納める荷物に添付された荷札。現代のものとは異なり、送付元と内容品が記載されている。海士の木簡は細長い杉の薄板を用い、上下に切り欠きを設け、荷ひもを掛けて固定するスタイル。同講座では、奈良・平城京跡に残された各地方の木簡を実物大にコピーしたA3サイズの資料複数枚を受講者に配布。飛鳥時代、奈良時代を経て今もなお鮮明に残る筆致から、当時の人々の気質、万葉仮名の移り変わり、税制と庶民の暮らしを知る、奥深い講座内容となった。

 隠岐からの木簡は約130点が見つかっており、そのうち54点が海士からのものだったと話す市さん。品目としては、アワビを中心としてイカ、ナマコ、ノリなどが租庸調の「調」として献上されており、「現代の海士町の食の豊かさを歴史的に裏付けている」と評した。

 自身が愛知県海部(あま)郡出身とのエピソードから、西日本には尾張国(愛知県)、隠岐国だけではなく、四国・九州にも複数の「海部郡」が点在していたことを指摘。各地の木簡を比較し、海士町の木簡が一貫して小型で簡素なものであったことから、「堅実でつつましやかな土地柄を感じられる」とも。

 質疑応答では「海士町の歴史は後鳥羽院の配流以降を中心に語られることが多く、それ以前の営みについてはスポットが当たることが少なかったように思う」との意見も聞かれ、新しい海士の歴史の一端に触れる刺激的な内容となった様子。

 次回の隠岐国巡回講座は9月5日、西ノ島町で開催される。

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